ワイヤードにいる本当の自分が,リアルの嘘の自分に侵食されていく。それを食い止め,本当の自分の牙城を守ることができるツールとしての,グヌーテラ。
AOL社内部のプログラマーチームによって3月14日にリリースされた,サーバーを介さずにファイル交換を行なうことができるグヌーテラは,かなりの騒ぎを巻き起こしている。グヌーテラのユーザーは大規模な「グヌーテラ・ネット」に参加することもできれば,独自のネットワークを構築することもできる。そこでは,幼児ポルノや盗難したクレジットカード情報,海賊版ソフトの交換なども行われているようだ。
グヌーテラ発火の引き金となった,MP3ファイル交換ソフト「ナップスター」(過去記事1,2)もニュースが尽きない。ヘビメタバンドのメタリカが,ナップスター社と,音楽ファイル交換を許しているとして3つの大学を提訴した(CNET Japanの記事)。だが,まぁ勘違いも甚だしい。メタリカのメンバーは「われわれの芸術が,日用品の扱いでやり取りされているのは悲しい限り」と述べているそうだが,音楽とは日用品になるべきものだ。そうでないというのなら,美術館のガラスのケースの中にでも入れて厳重に保管しておけばいい。
ナップスターはひとつのサーバーに情報が登録されて成り立っているが,グヌーテラは,それがない。個々のパソコンがファイルを開示し,やり取りされる。IPなどの情報を送り合うこともないので,ログなんてものもとりようがない。ワイヤードはいつの間にか,どんどんリアルに侵食されてきた。個人情報を入力させられてリアルの自分を特定されたり,IPからリアルの自分を特定されたり…。そしてその特定内容はおおむね,金儲け企業の材料にされるだけだ。ウェブもメールも信用できない。でも,グヌーテラなら,本当の自分でいられる。ワイヤードにいる本当の自分を,守り抜け!(DLはCYBERTROPIXなどで,ど,お,ぞ(はぁと)。
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